Cross Talk 2
ノウハウゼロから歯科医院を開院。国内5院、海外1院の歯科グループに。
2021.06.16
本当に信頼できる歯科に、ご入居者様を診てもらいたい。
2010年にスタートしたフォレストデンタルグループ。その当時、訪問診療の診療報酬※が高いことから、きちんと歯科治療・口腔ケアをせず、利益目当てで訪問診療を始める歯科が多数見られました。介護施設に多くのご入居者様がいるGenki Groupとしては、本当に信頼できる歯科医師に口腔ケアを任せたいと、Genki Group内に歯科医院を立ち上げ、介護施設を中心に訪問診療をスタートしました。しかし、軌道に乗るまでは大変なことの連続でした。
※訪問診療・・通院するのが困難な方に対して、歯科医師が介護施設や自宅に直接出向き、歯科治療・口腔ケアを行なうこと。
※診療報酬・・保険診療の際に医療行為等の対価として計算される報酬。(1点10円で計算される。)
Index
全てをイチから話し合いながら、試行錯誤 新規開院を続け、それに伴い組織としてもブラッシュアップ 最後に3人に聞いてみました。一緒に仕事がしたいのは、どんな方ですか。
Memberメンバー
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藤井
管理本部
常務取締役
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佐藤
管理本部
部長
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計良
管理本部
歯科事業推進チーム
全てをイチから話し合いながら、試行錯誤
藤井
介護施設に入居されている方々にとって口腔ケアはとても大切です。口腔ケアをしっかり行うことで、 誤嚥性肺炎の減少や低栄養、日常生活動作の改善に繋がりますし、美味しくものが食べられる、問題なくコミュニケーションが出来るということがQOLの向上に繋がります。
介護施設で口腔ケアを行う際、外部の歯科医院にお願いすることが多いのですが、果たして十分な口腔ケアができているかという不安がありました。口腔ケアを自分たちの求めるレベルで、それも一時的ではなく持続可能な形で行うために、自分たちで口腔ケアを行える体制を作ろうというのが始まりでした。運営のノウハウは全く無い状態からのチャレンジでしたね。
佐藤
歯科医師2名と診療場所だけ決まっており、訪問診療自体も、概念を含めて全く知らなかったので大変なことばかりでした。
一緒に事業を行う歯科医師とともに、「どのようにして十分な診療ができる体制をつくるか、どのような方が必要か、どのような役所の手続きが必要か」など全てをイチから話し合いながら、試行錯誤を重ねました。
藤井
最初はスモールスタートでもとにかく形にすることが大事だと思ったので、中古の機器・器材を探して、スタッフも少ない中でスタートしました。
訪問診療を行う際のメンバー構成としては歯科医師、歯科衛生士、受付・助手、それから訪問診療のための歯科コーディネイターが必要です。
しかし、最初の頃は歯科コーディネイターもいない、歯科衛生士は訪問診療経験者ではなく、受付に関しては歯科経験者ですらない、というところから始まりました。そこから一年かけてなんとか開院にこぎつけました。
佐藤
1院目の立上げはかなり試行錯誤しましたが、得られる知見は大きかったです。2院目、3院目の立上げからは、ある程度マニュアル化することで、スムーズな進行ができるようになりました。
新規開院を続け、それに伴い組織としてもブラッシュアップ
現在は国内5院・海外1院まで拡大し、訪問診療で年間延べ2万人を診療するまでに成長。
CT、レーザーなどの最新機器も導入し、より良い医療の提供も実現できてきたころ、新たな課題が見えてきました。
佐藤
クリニック数が増えてきて、フォレストデンタルグループ全体をうまくまとめる必要が出てきましたが、経営側の考えを現場に浸透させる事が十分にできていないという課題が露呈してきたんです。人数規模が少ない頃は出来ていたことが、スタッフ数が増えるにつれ難しくなってきた。そこで当時、現場で活躍していた計良さんに白羽の矢を立てました。当時から、計良さんのコミュニケーション能力の高さを評価していたからです。現場に寄り添って伝えることができるというのは非常に大きなポイントでした。
計良
私が歯科事業推進チームに加わったのは5院目の西新宿院の立上げプロジェクトからで、それまでは現場で受付業務を行っていました。プロジェクトの中で、現場の人間だから言えることや考えられることをうまく反映できたときにはすごく達成感がありましたね。
藤井
現場を知っているというのは根本的に強いんです。佐藤さんと私は現場経験が無いので、細かなイメージがしづらい。現場経験がある計良さんは、経営側の考えを現場へ分かりやすく伝え、また現場から問題点を見つけて経営側へ報告してくれたので、ずいぶん助かっています。
計良
現場から異動となり、不安が全く無かったといえば嘘になりますが、藤井さんと佐藤さんは、すごく丁寧に色々なことを教えてくださり、勉強になりました。その親身に教えてくださる姿勢は今も変わりませんね。
藤井
経営側の考えがきちんと浸透したな、と思った出来事として次のようなことがありました。ある施設の経営母体が変わった時、訪問診療は引き続きフォレストデンタルへお願いしたい、とお声をいただいたんです。「真面目に取り組む」「患者さまのために、を一番に」という考えが浸透し、先生がしっかり治療をしたり、現場スタッフが丁寧に対応したりしていた結果だろうと思います。
佐藤
訪問診療ができる環境にある以上はしっかりそれを行い、社会に貢献しないといけないね、という共通の想いを開院当初から歯科医師と持っていましたが、それは今でも現場に受け継がれています。
藤井
カンボジアでのボランティア診療も同じ想いから開始しました。Genki Groupからのご縁で、カンボジアの口腔ケア事情を知り、歯科に関わるものとして放っておけないと動いたのが始まりです。
最後に3人に聞いてみました。どんな方と一緒に仕事がしたいですか。
計良
誰かの気持ちに寄り添える方、何かのために頑張って働ける方が来ていただけると嬉しいです。
佐藤
やっぱり人との関わりを重視できる人、とりあえずやりますと言えちゃう人(笑)
藤井
医療職ではなくても、社会に貢献できるとか、利益だけに追われるよりも人のためになることが好きだ、という想いを持っている方と一緒に働きたいですね。
歯科事業は介護事業同様に、超高齢化社会に伴い益々必要とされています。
これからも同じ思いを持つ仲間と共に、拡大成長し続けます。